この作品が生まれる前、結構大きな鯛とかブリが先を争ってダイナミックに撒き餌を食べる楽しい様子を見せてもらいまして…笑
そこからインスピレーションを得ています。
お魚の土器を抱える土偶の上からは
千の星が降り注いでいます
魚は一心不乱に星を食べ
六芒星は土器の中でバラバラになっていきます
六芒星は上向きの△と下向きの▽の組み合わせ。陰と陽、男と女。
食べられ、いったんバラバラにさせられた▽△は
土器の中で本当の組み合わせを探し出そうとしています。
星の数ほどある男女の組み合わせの中で
「本当の」相手に出会っている人は
どれほどいるのでしょうか
この宇宙で、元ひとつの「魂の半分」に出会う確率はいかほどなのでしょうか
私たちは今、古い価値観や概念を取っ払って、がらっと自分を変えていかなければならない時に来てしまっています
もうずっとずっと昔から、私たちの体に染み付いてしまっている「正しさ」「当たり前」「善悪」のような「誰かが作った物差し」。それでがんじがらめになって「本当の、自分の魂の声」が聞こえにくくなっている。
とはいえ、変わるのが嫌ならそのままでも。
でもどこか現状の自分が「落ち着かない」「しっくりこない」のであれば、もう変わる時。
自分の変化をクルマに例えたら「マイナーチェンジ」なんて言ってる場合じゃない。「フルモデルチェンジ」でもまだ足りないくらい。まったく新しい別のクルマ、というかもうクルマじゃなくて「どこでもドア」くらい、自分の考えを刷新する世の中が来ていると私は思っています。
とはいえ私の場合は「すっかり古い価値観でがんじがらめになっていた自分を、なんとか終わらせて新しい世界へ行く」という過程があるので「すんなりやっていく」世代よりエキサイティングです。
私はこういう世代を選んで生まれてきているんだと思います、「境界」が大好きなので・・白でも黒でもない世界、「間(はざま)の世界」に芸術は生まれる気がします
六芒星たちは上向き▽と下向きの△で
「型」を作ることで見た目は完成しているように見えますが
なぜか魚の口に吸い寄せられます
そして一旦バラバラになって「死」を迎え、ほんとうの自分の半分を探して「再生」しようとします
縄文土器は「死と再生」の象徴だったと私は考えています(参考作品解説:「願いの源泉」)。
古い概念を壊す「死」がなければ、「再生」はない。
それは全く新しい自分の人生を得ること。本来の、輝く自分を取り戻すこと。
そんなお魚の土器を
土偶は大切に抱き抱えます
六芒星たちの
魂が求めるほんとうの場所へ戻れるよう
祈りをこめて。