この作品のオーダーを頂いた時
私はちょうど、琵琶湖のほとりにいました
今までの仕事を辞めアーティストとして起業し、
すったもんだしている私を根気よく待ち続けていただき
ようやく完成した作品が、内容ほぼ「お任せ」だったにもかかわらず
「やっぱり琵琶湖になった」
というのも面白いなぁと感じています。
釣りがお好きな方ですので、
琵琶湖で釣りをする様子を思い浮かべながら作成しました。
湖上に船を浮かべ、釣りをしている土偶がいます
ふかいふかい土器の湖は宇宙空間に繋がっていて
私たちには想像もつかないような時空と、歴史の蓄積と、生命の不思議が息づいています
太古の昔から海水と交わることがなかった琵琶湖の湖底はタイムカプセルのようになり
縄文土器も出土するそうです。
生と死、出会いと別れを繰り返す、人々のいとなみ。
長い長い歴史を、その湖の底に積み重ねながら
琵琶湖は何を見つめてきたのでしょう。
水は記憶を持っているそうです
人間の約60%は水。
私たちの体内の水が積み重ねてきたもの、その記憶は、連綿と続いてきた血の繋がり。
先人たちが叶えたかった、願いや祈り。
それらを私たちは、琵琶湖のように身体という器にたたえながら、今を生きています
今、その託された願いを探り当て、叶えていくとき。
「J I A I 」(ジアイ)というタイトルは、この作品が出来た時すぐに決まりました
「時合(じあい)」という釣り用語があります。それは魚が釣れるタイミング、「好機」を言うそうです
大好きな釣りを心おきなく楽しまれ、いつも良い「時合」に恵まれますように。そして人生そのものにおいても良き潮目を捉えることができますように。という願いとともに
音霊が同じ「自愛」から、ご自身を「本当の意味で愛することができますように」という願いを込めました。
そしてもう一つ同じ音霊である「慈愛」。
私達の深層にある、魂が望む本当の願い。
紡がれてきた歴史の先に、バトンを渡され今を生きるあなたに託された願い。
いま、この「時合」、輝く湖底に糸を垂れたなら
きっとその慈しみ深い、本当の愛に触れることができる
いまこそ、釣り上げるタイミング。