猥雑な街角。たとえば渋谷の。
そこには真実と、純粋な光が垣間見える
着物が好きということもあり、着物の紋様(もんよう)を縄文で表現したいと思いました。
着物は日本の伝統文化。美しい・煌びやかなイメージが先行しますが、昔は日常着でした。
独学で着物を着て外を歩いていると「着物とはこうあるべき」という信念をお持ちの、いわゆる「着物警察」と呼ばれる女性の視線を痛いほど浴びたことがありました。
だから「こうあるべき」へのささやかな反抗心から、黒人差別に反発したバスキアのようなイメージで生み出したのが、この「純粋紋様」です
時々渋谷まで映画を観に行きます。
大々的に宣伝を打っていないテーマを取り上げる映画館は、ラブホテルの向かい側。ゴミがばらついてなんなら夏はちょっと臭うような場所にあります。
商業施設のなかにある、大きくて綺麗な映画館では観られない、不都合な真実。
昔、河原者と呼ばれ差別された人たちの役割は、あの世とこの世の境界にあり、「死」に関わる仕事。本当は「聖なる人しかできない役割」だったものが、いつしか「汚れ(穢れ)た者たち」として差別されるようになったという説があります。
表面上の美しさに覆い隠された本当の真実、純粋な光。
語られるのは多くの人には見えにくい、こんな渋谷の猥雑な一角だったりするのかもしれません