2022年個展の代表的な作品。
2元的なものの統合。
死と再生、男と女、直線と曲線。
正方形で、2枚のガラスで挟んでいますので
軽やかでカジュアルな印象です。
モチーフは「土偶」の代表選手、遮光器土偶。
この造形だけで、心惹きつけてやまないパワーがあります。
土偶の多くは完全な形で出土することが少なく、意図的に壊されているものが多いそうです
それが何を意味するのか謎ですが
縄文人は「死と再生」という思想を持っていたようです。
そんなことから土偶は「ひとがた」として「死」と「再生」を象徴する儀式に使われていたのではないかと考えます
謎の多い土偶ですが、呪術的で、切実な「生きる」ことへの祈りがそこにあったとすれば
私はそれをもっと躍動する「喜び」へと昇華させたいと思いました
古代と現代、直線と曲線、男性と女性
それらが入り混じり混沌とした先にしか生まれない、二元的なものの統合。
私たちは、本当の意味でその時を迎えているのではないかと思います。