日々、思うこと

わたしの「はじまりの物語」を観た。

この、深く美しいブルー。

すでに網膜に焼き付いたこの青が、
待ちに待って新国立劇場に貼られていたときの興奮。

沖縄ご出身のバレエ・アーティスト、緑間玲貴さんによる
『トコイリヤ RYOKI to AI vol.13』
「ビゼーティン – 七つの星の物語 」。

ビゼーティンとは、沖縄の古い言葉で「辨財天」のこと。

東京公演は、巳の年・巳の月・巳の日。

2025年5月24日は、まさに「辨財天の日」だったのですが緑間さんは意図されていなかったそうです。

初めて「ビゼーティン」の一部を観たのは
2023年11月の、沖縄・首里城のご奉納でした。
その1週間後の11月11日に、伊勢・皇大神宮のご奉納。
そこから2024年10月・沖縄公演で全幕を観ることができ…そして一昨日の東京公演。

以前はただただ、その幻想的な、どこか懐かしさが込み上げる美しい世界に圧倒され訳もなく涙を流すばかりでしたが…

今回私は、この舞台の、緑間さんの祈りを、自分との共通点を、なんとか汲み取ろうとしていました。それは公演が近づくほどに。
今の私は私なりに、必死で何かを掴みたかったのだと思います。

一番感極まったのは7景(ひのとり・靈ノ鳥)でした。
暗転した世界。空を見上げ、幾万の祖霊に祈りを捧げるような緑間さんは、てぃるる(神歌)の流れる中、沖縄・津堅島の満点の星空の下にいるのではないか…と思いました。

私たちの両親、祖父母…さかのぼりつづければそれは元素となり、宇宙となる。
私たちの親は人ですらなく、親は地球であり、祖母は宇宙である。と、前日にそんな瀬織津姫(辨財天と同じ存在)にまつわるお話を、ビゼーティンをご紹介した不思議なご縁から、聞いてきたばかりでした。

私は数年前まで、自分は自分、親や祖父母は別の人間で、ご先祖さまに至っては「ほとんど関係ない」とまで思っていました。

しかし、縄文の絵を描きだしてから出会う人・出会う学びから…血のつながりは今の私の「原因」となっていることを知ります。そしてそれは、もっともっと壮大だったのです。「そもそも壮大であることを知る時期が来ている」、とも言えるのかもしれません。

涙が止まりませんでした。

私たちは宇宙という祖先から愛を受け叡智を授かり、そしてその星々の叡智は彗星のエネルギーを借りて、ひとつの剣として誕生する…

舞台のクライマックス、圧倒されるほどの眩い光の中で、剣が生まれた瞬間
「あぁこれからは、ほんとうに、どうなるのかは私次第なのだ」
と、震えました。
私たちは大変革の前の、夜明け前の、脱皮前の…そんなキワに立っていて
いま、この瞬間、それを見せられている…そう思いました。

宇宙から、人類だけに与えられた、この叡智を
私はどう使うのか。

「どう、この生命を使っていきますか」

凄まじい光、生命エネルギーの爆発をもって、これ以上ない美しい形で私たちに根源からそう問いかける、このトコイリヤという舞台。

いつも想像を遥かに超えたものを目の当たりにさせられ、余韻が次の公演まで終わらず、次はいつも想像をはるかに超えて私の人生に、問いかけつづける。
だからこそ何一つ、取りこぼすことが出来ないのです。

今回の東京公演は戦後80周年祈念でもありました。
これから私たちの大変革を前にして、

けして忘れていけないのはここまでを築いてくれた先人、生命を育んでくれた親の存在。

「私たちは皆、星の子」。

そんなことを感じた、まさに原初、根源の世界。

ビゼーティン・沖縄公演初演のサブタイトルは

「琉球に秘めたれた神話からはじまる
「北極星」と「北斗七星」が奏でる「あなた」のはじまりの物語。」

まさに、「私のはじまりの物語」でした。

素晴らしい、素晴らしい舞台を、本当にありがとうございます。緑間玲貴さんはいつも「人類の進化の最先端」を見せてくださる方だと思っています。

そしてご出演者の皆様も本当に美しく…この舞台と向き合いながら一体どれほどの見えない努力があったのだろう…と、そんな未知の世界に震える思いです。


そして舞台を支えておられる関係者の皆様。


心よりお礼を申し上げます。


改めて、素晴らしい舞台をありがとうございました!!!
これからも心より、応援しております。

緑間 玲貴さんのHP: RYOKI MIDORIMA Official Web

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