日々、思うこと

貝塚は「古代のゴミ捨て場」ではない

「加曽利貝塚おすすめだよ」

縄文縄文言っていると、いろいろな「縄文情報」をいただきます

なぜか同時期にこの貝塚を色んな方からオススメされ、行ってまいりました「関東最大級の貝塚」。

「と、いうても貝が大量に捨ててある古代人のゴミ捨て場でしょ・・」くらいに実は思っていました。

現地に着くとたまたまイベント中で「ガイドしますよ」と、おじさま達が声をかけてくださいましたので

軽い気持ちでお願いしたのですが、これが非常に濃厚でした

「ほら、見てください」

ガイドのおじさまはずんずんと林の中へ私と相方を案内。

なんと。足元は貝だらけです。

貝が埋まっている地層の断面の展示を見るだけかと思いきや、まさに「貝塚の上に立っている」体験ができます。

「ほら、これ土器ですよ」

「ええええほんとだああああぁ」

大興奮です。こんなに無造作でいいんですか・・?

「すごい!!(興奮)これ・・もらっていいんですか?!」

「だめです笑」

「ですよね笑」

貝層の中からは、さまざまな骨も見つかっています

魚や獣の骨。酸性の土壌は、貝のカルシウムでアルカリになり

タイムカプセルのようにそれらを残しました

貝塚には、犬や人も多く埋葬されていました

犬は骨折を治療し治癒した後があり、人間と同様大切に埋葬されていたそうです

狩りのパートナー、そして家族同様の存在だったことがうかがえます

昔の考古学者は「なぜゴミ捨て場である貝塚に、死者が埋葬されているのか?」と疑問を持ったそうです

その答えとして、貝塚はアイヌのイオマンテのような「物送り」の場ではなかったか、とありました

これほど人骨が出土する貝塚も珍しいそうです

死者の「とむらい」は、日常生活の場であるムラの中で行われました

現代に生きる私たちよりも、生と死はとても身近で

恵みを与えてくれる貝も獣も木の実も人も、すべて同じ存在で

また循環して再生することを祈り、そこへ一緒に埋葬したのではないかと。

「貝塚=古代のゴミ捨て場」の概念が変わった日となりました。

加曽利貝塚を何気なくおすすめしてくれた友人、ここへ連れてきてくれた相方、説明してくださったガイドさん、なんだかすべてに感謝したくなる、のどかな風景でした。

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